POSデータを、 明日の発注に変える。
「売れた記録」でしかなかったPOSデータに、気象・曜日・地域の催事を掛け合わせる。明日どれだけ売れるかを予測し、品目ごとの発注数を売場へそっと提示する。勘と経験に頼っていた発注を、欠品も廃棄も減らす仕組みへと育てた取り組みの記録です。
- Client
- 食品小売・チェーン店舗
- Period
- 約6ヶ月(PoC〜運用定着)
- Scope
- データ整備・予測モデル・運用伴走
- Stack
- Web · クラウド · 機械学習
00 / OVERVIEW
REF. 品目ごとの予測販売数と、推奨発注数を一画面に集約
01 / THE CHALLENGE
欠品も廃棄も、
同時には減らせない。
多めに仕入れれば棚は埋まるが、売れ残りは廃棄へ。絞れば棚は空き、買いに来たお客様を逃す。発注は、その綱引きの真ん中にありました。
- 発注数がベテラン担当者の勘に依存し、品質が人によってばらつく
- 天気や近隣のイベントが売上を左右しても、数字に反映できない
- 欠品による機会損失と、廃棄ロスのコストが両側から利益を圧迫
日々の発注は、前年同日の実績と担当者の感覚を頼りに決められていました。経験豊富な担当者がいる日は精度が高い一方、不在の日や慣れない品目では大きく外れる。発注の良し悪しが「誰が担当したか」で変わってしまう状態でした。
とりわけ生鮮や日配品は、天気が崩れただけで動きが一変します。近隣で催事がある日に読み違えれば、夕方には棚が空くか、閉店後に大量の売れ残りが出るか。POSには「何が売れたか」は残っても、「なぜ売れたか」が記録されておらず、次の発注に活かしきれていませんでした。
02 / OUR APPROACH
対話から、予測し、定着させる。
精度の高いモデルより、現場が毎日使い続けられる仕組みを優先しました。
発注の現場に立って、勘を言語化
ベテラン担当者が何を見て発注数を決めているのかを聞き取り、天気・曜日・近隣の催事といった「頭の中の判断材料」を一つずつ洗い出し。属人的なノウハウを、予測の手がかりへ翻訳しました。
散らばったデータを整え、つなぐ
POSの販売実績に、気象データと地域のイベント情報を結合。表記ゆれや欠損を補正し、予測モデルが学習できる形に整備しました。土台となるデータの品質づくりに、最も時間をかけました。
予測を、発注数として売場に渡す
予測値をそのまま見せるのではなく、品目ごとの「推奨発注数」に変換してダッシュボードへ提示。担当者が一目で判断でき、最後はその手で調整できる余白も残した画面に仕上げました。
外れを検証し、モデルを育て続ける
予測と実績のズレを毎週ふり返り、催事や季節要因を追加学習。運用に乗せてからも一緒に精度を磨き、現場が安心して頼れる予測へと育てています。
03 / THE RESULTS
廃棄が、目に見えて減った。
数字の改善はもちろん、発注のプレッシャーから担当者が解放されたことが大きな変化でした。
天気や催事を織り込んだ推奨発注数が毎朝届くようになり、仕入れ過ぎによる廃棄ロスは約30%減少。同時に、売れ筋の欠品も抑えられ、機会損失と廃棄という両側のムダを一緒に削れました。発注は「誰がやっても一定の精度」になり、ベテランでなくても自信を持って棚を任せられる体制へと変わっています。
04 / CLIENT VOICE
「AIと聞いて、最初は現場とは縁遠い話だと思っていました。でも出来上がったのは、明日いくつ仕入れればいいかを素直に教えてくれる画面でした。天気が悪い日も、近くでお祭りがある日も、ちゃんと数字が動く。廃棄の山を見る回数が目に見えて減って、毎朝の発注がこわくなくなりました。慣れていない新人にも、安心して任せられています。」
店舗運営マネージャー/食品小売・チェーン店舗(北九州エリア)
05 / OTHER WORKS


