配車と在庫を、 ひとつの画面に。
入出庫の伝票、棚のロケーション、明日のトラックの割り当て。すべてが別々の紙とベテランの記憶に散らばっていた倉庫を、IoTとハンディ端末で一本につなぎ直しました。ピッキングの動線と積載計画を最適化し、残業と誤出荷を同時に減らす。現場の手元から始めた、物流DXの記録です。
- Client
- 運輸・倉庫業
- Period
- 約7ヶ月(要件〜本稼働)
- Scope
- 要件定義・設計・開発・運用
- Stack
- Web · クラウド · IoT · ハンディ端末
00 / OVERVIEW
REF. 棚のバーコードと連動したハンディ端末で、在庫と配車を一画面に集約
01 / THE CHALLENGE
在庫の場所も、
明日の配車も、頭の中。
「あの荷物はどの棚?」「明日この方面は何台で回す?」。倉庫を動かす肝心な判断が、特定のベテランに尋ねないと前へ進まない状況でした。
- 棚のロケーションが台帳と一致せず、ピッキングのたびに探し歩く
- 入出庫が紙伝票で、在庫数がリアルタイムに合わず棚卸が重い
- 配車と積載計画が勘頼みで、空車・積み残しと残業が常態化
倉庫の在庫は手書きの台帳とExcelで管理され、実際の棚の中身とは少しずつズレていきました。ピッカーは記憶を頼りに広い倉庫を歩き回り、見つからない荷物を探すうちに出荷の締め時間が迫る。ときには別の荷物を取り違え、誤出荷として戻ってくることもありました。
翌日の配車は、長年の経験を持つ配車担当が地図と注文票を見比べながら、毎晩遅くまで組み立てていました。どの便にどれだけ積めるかはその人の頭の中にしかなく、急な増減やトラックの不調があれば一気に崩れる。属人化したオペレーションが、残業と現場の不安をそのまま生み出していたのです。
02 / OUR APPROACH
対話から、設計し、実装する。
倉庫の動線も、配車の段取りも、まず現場と一緒に歩いてから設計に落としました。
倉庫を歩き、動線を測る
ピッカーの後ろについて倉庫を歩き、どの棚を何度往復しているか、どこで荷物を探して止まるかを観察。配車担当の夜の作業にも立ち会い、判断の根拠を一つずつ言葉にしていきました。
ロケーションと在庫を先に固める
いきなり全部を作らず、棚へバーコードを振りロケーションを正しく定義することから着手。ハンディ端末で読むだけで在庫が合う状態を試作し、現場に触ってもらいながら運用ルールを固めました。
動線と積載を最適化する
在庫データが正しく溜まり始めてから、ピッキング順を動線が短くなる順に並べ替え、注文と車両の制約から積載・配車案を自動で提案。最後はベテランが調整できる余白を残し、勘と仕組みを両立させました。
本稼働後も伴走して磨く
導入して終わりにしません。稼働後も定例で現場の声を聞き、ハンディの画面や配車提案のロジックを継続的にチューニング。繁忙期の波にも崩れない運用へ、一緒に育てています。
03 / THE RESULTS
倉庫の流れが、軽くなった。
歩く距離も、探す時間も、配車の夜なべも。日々のオペレーションそのものが軽くなりました。
ハンディ端末で在庫がその場で合うようになり、ピッカーは迷わず最短の動線で棚を回れるようになりました。積載と配車が自動で提案されることで、配車担当の夜の手組みは大幅に短縮。空車と積み残しが減り、トラックの稼働も平準化しています。結果として、倉庫オペレーション全体を35%効率化し、残業と誤出荷を着実に減らすことができました。
04 / CLIENT VOICE
「正直、システムを入れれば現場が窮屈になると身構えていました。でも逆でした。何日も倉庫を一緒に歩いて、私たちのやり方を尊重したうえで仕組みにしてくれた。今はハンディをかざせば在庫の場所が分かり、配車の叩き台も朝には出ている。ベテランしか分からなかったことが、チーム全員で見えるようになりました。残業が目に見えて減ったのが、何よりありがたいです。」
物流センター長/運輸・倉庫業(北九州市内)
05 / OTHER WORKS


